Raspberry Pi 3B+にSlackwareのSARPiをインストール後のメンテナンス色々
- はじめに
- ネットワーク設定
- 最新へアップデート
- bluetoothキーボードを使う
- カーネルアップグレード ※任意
- その他:macを使ってimgファイルやisoファイルをsdcardに書き込む場合。
- まとめ
はじめに
前回の記事でRaspberry Pi 3B+にSARPiをインストールしたが、それだけ終わりではないので、色々使えるよう設定する必要があります。 最低限使えるようにしてみましょう。
ネットワーク設定
ネットワークが繋がらない場合の手順を書きます。
条件
※ここでは以下の条件で行う前提とします。
・ルータのIPアドレスが192.168.0.1
・使われていないIPアドレスが192.168.0.56
手動設定
自身のIPアドレスを設定します。
ifconfig eth0 192.168.0.56 netmask 255.255.255.0 up
ルータのIPアドレスを設定します。
route add default gw 192.168.0.1
ネームサーバのIPアドレスを設定します。ネームサーバがわからなければルータのIPアドレスでOKです。
echo nameserver 192.168.0.1 > /etc/resolv.conf
これは手動で無理やり起動していて、
この状態だと次回起動時ではまたネットワークに接続できない状態に戻ってしまいます。
次回起動時にもネットワークが起動できるように、次の手順で、設定を変更します。
設定変更
ネットワークの設定ファイルを編集します。
vim /etc/rc.d/rc.inet1.conf
ここのコマンドを実行して、ipアドレス、netmask、gatewayの3箇所を設定します。
eth0とゲートウェイの設定を変更します。
すでに設定値する箇所があるので、そこを編集します。
IPADDR[0]="192.168.0.56" NETMASK[0]="255.255.255.0" GATEWAY="192.168.0.1"
これで次回起動時でもネットワークに繋がるようになります。
もし、ここで繋がらない場合は、eth0ではなくeth1が起動している可能性もあります。 ifconfigで確認してeth1だった場合は、設定はIPADDR[0]ではなくIPADDR[1]にしてみましょう。
指定したIPアドレスにならない場合は、USE_DHCPをNOにしてみましょう。
最新へアップデート
slackwareはデフォルトではアップデートできない状態となっています。 アップデート出来る状態にしましょう。
vim /etc/slackpkg/mirrors
このファイルを編集する際に、 local cd/dvd drive と local directory、slackware ftpサイトの3つの設定できますが、ftpサイトを設定します。 すでにいくつかのサイトがコメントアウトされている状態になっているので、その中の一つを選択しましょう。
ftp://slackware.uk/slackwarearm/slackwarearm-14.2/
※注意してほしいことは、最後のバージョンが現在入っているslackwareのバージョンと一致しているかどうかを確認してください。でなければ、システムが壊れます。 14.2を使っているのであれば、上記のURLで大丈夫です。
URLが正しいことを確認したら、パッケージ更新に必要なgpgキーを更新します。 これは初回1回のみ実行します。以降はこのコマンドは忘れていいです。
slackpkg update gpg
新規パッケージをインストールします。確認ダイアログ出るが基本的にそのまま「OK」でいいです。
slackpkg update slackpkg install-new
全てのパッケージを更新します。確認ダイアログ出るが基本的にそのまま「OK」でいいです。
slackpkg upgrade-all
システムを適用するために再起動します。
reboot
これでslackwareとしてのアップデートは完了しました。
念のために、再度上記のslackpkg update
以降の手順を実行、もうupdateするパッケージがなくなるまで繰り返してください。
bluetoothキーボードを使う
bluetoothキーボードは色々種類がありますが、今回は
Ewin Bluetooth keybord RT-MWK02
というキーボードを接続します。
ちなみに、コンパクトでかなり良い感じのキーボードです。
Raspberry Piのために生まれたようなキーボードです。買い!!!
1. キーボード付属のドングルをrapiに挿す。
2. 認識できているかコマンド実行して確認します。
一番上にBlutooth Dongleが認識していることを確認できれば完了です。
$ lsusb Bus 001 Device 007: ID 0a12:0001 Cambridge Silicon Radio, Ltd Bluetooth Dongle (HCI mode) Bus 001 Device 006: ID 0853:0100 Topre Corporation HHKB Professional Bus 001 Device 004: ID 0409:005a NEC Corp. HighSpeed Hub Bus 001 Device 005: ID 0424:7800 Standard Microsystems Corp. Bus 001 Device 003: ID 0424:2514 Standard Microsystems Corp. USB 2.0 Hub Bus 001 Device 002: ID 0424:2514 Standard Microsystems Corp. USB 2.0 Hub Bus 001 Device 001: ID 1d6b:0002 Linux Foundation 2.0 root hub
3. blutoothのプロセスを起動します。
/etc/rc.d/rc.bluetooth start
4. 接続ツールを実行します。
bluetoothctl
5. 認識しているか確認します。
scan on
色々情報が流れますが、
[NEW] Device CC:C5:0A:28:6F:B8 Bluetooth 3.0 Macro Keyboard
と表示されていればOKです。
6. 表示されたMACアドレスを用いて登録します。
以下のコマンドを実行します。
[bluetooth]# pair CC:C5:0A:28:6F:B8 [bluetooth]# trust CC:C5:0A:28:6F:B8 [bluetooth]# connect CC:C5:0A:28:6F:B8
ここまで来れば、Bluetoothキーボードが動作することを確認して完了です。 また、trustコマンドを実行した場合は、再起動したとしても、 自動接続されるようになります。
カーネルアップグレード ※任意
基本的に中身はslackwareなのでslackpkgでシステムを最新化できます。
しかし、カーネルはslackwareの最新版だと動作しないため、ここだけはsarpiでカスタムしたカーネルが動くようにアップデートの対象外になる構造になっています。
Raspberry Piでは、sarpiとは関係なくrpi-updateコマンドが用意されています。
Raspberry Piとしての最新化はrpi-updateコマンドを使用しますが、
このコマンドはslackwareの管理なしで書き換えるので、不安定になる場合があります。
そこを理解した上で実行してください。
また最新版≠安定しているではないので、kernelが止まっても元に戻せる技術を持っている人でないと、 実行しない方がいいです。
つまり、通常使う場合は、このコマンドは実行する必要はないです。
1. 以下のコマンドでインストールします。
wget http://goo.gl/1BOfJ -O /usr/bin/rpi-update && chmod +x /usr/bin/rpi-update
2. rpi-updateを実行します。
# rpi-update *** Raspberry Pi firmware updater by Hexxeh, enhanced by AndrewS and Dom *** Performing self-update *** Relaunching after update *** Raspberry Pi firmware updater by Hexxeh, enhanced by AndrewS and Dom *** We're running for the first time *** Backing up files (this will take a few minutes) *** Backing up firmware *** Backing up modules 4.14.56-v7-arm ############################################################# This update bumps to rpi-4.14.y linux tree Be aware there could be compatibility issues with some drivers Discussion here: https://www.raspberrypi.org/forums/viewtopic.php?f=29&t=197689 ############################################################## *** Downloading specific firmware revision (this will take a few minutes) % Total % Received % Xferd Average Speed Time Time Time Current Dload Upload Total Spent Left Speed 100 168 0 168 0 0 254 0 --:--:-- --:--:-- --:--:-- 258 100 56.1M 100 56.1M 0 0 785k 0 0:01:13 0:01:13 --:--:-- 279k *** Updating firmware *** Updating kernel modules *** depmod 4.14.80+ *** depmod 4.14.80-v7+ *** Updating VideoCore libraries *** Using SoftFP libraries *** Updating SDK *** Running ldconfig *** Storing current firmware revision *** Deleting downloaded files *** Syncing changes to disk *** If no errors appeared, your firmware was successfully updated to 69596b44b2a4154a4f5085c8b511a27c154266b8 *** A reboot is needed to activate the new firmware
3. 再起動してみます。
reboot
このように最新化することができます。
その他:macを使ってimgファイルやisoファイルをsdcardに書き込む場合。
前回の記事では、windowsを使ってusbにimgファイルの書き込みを実施してましたが、 macでの書き込み方法を補足のして載せます。
1. まず、ここからimgファイルをダウンロードしてください。
2. sdcardをPCに挿して以下のコマンドを実行してください。
diskutil list
3. リストが増えてsdcardのdiskを確認します。私の環境では/dev/disk2
でした。
環境によって変わるので注意してください。
sdcardを初期化します。
diskutil eraseDisk MS-DOS UNTITLED /dev/disk2
4. マウント状態だと書き込めないためをマウント解除します。
diskutil unmountDisk /dev/disk2
5. イメージファイルを書き込みます。
※ここで/dev/disk2
ではなく/dev/rdisk2
と書いていますが、誤記でないです。
rdiskと指定すると書き込みが高速化されます。
sudo dd if=./sarpi3-installer_slack14.2_20Jul18_sp1.img of=/dev/rdisk2 bs=1m
6. sdcardを取り出します。
diskutil eject /dev/disk2
この手順は他にも応用できるので、知っていて損はないと思います。
まとめ
今回は、sarpiをインストール後の設定について書きました。 これで最低限のことは出来るようになりました。あとはslackwareと同じように使うことができます。 良い勉強道具なのでぜひ、サーバ構築やLチカなど色々試してみてください。
最後に、心残りとしてwifi接続の記事を書けなかったことです。 どうしてもwlan0が認識しませんでした。 もう少し、試行錯誤してみて改めて記事にします。
この記事でRaspberry Pi 3B+とslackwareと両方に関心を持って頂ければ、私も嬉しい限りです。